カリフォルニア号。タイタニックとは関係ないよ。
先日載せた記事の内容を読んでみたので、その内容をまとめてみました。そこから見えてきたのは、ある船の運命でした。
以前なにかのドキュメンタリーで、オーストリア皇太子が暗殺された事件発生時に、もう一つのニュースにアメリカでは注目が集まっていたと聞いたことがあります。その記事がちょうど同じ日の新聞に載っていたので、読んでみることに。
見だしを訳すと以下のような感じでしょうか。
LINER CALIFORNIA HITS ROCK;
840 SOULS ABOARD ARE SAFE
カリフォルニア号座礁
840名の乗客 無事
Accident Off Irish Const in Fog
May Result in Loss of Craft,
アイルランド沿岸 濃霧による船舶事故
船体の損失で収束か
以下、自分なりに内容をまとめてみました。
事故で座礁したのは、カリフォルニア号。スコットランドの南西部の都市、グラスゴーで建造され、全長470フィート(約140m)・8662総トンの、北大西洋を航行する蒸気船です。
1914年6月20日(土)にニューヨークからグラスゴーに向け、一等客室に115名、二等に350名、 steerrage(デッキ下にあり安い値段で乗船できる。居心地は言わずもがな)に375名の、計840名の乗客を載せて出航しました。
ところが、6月28日、濃霧の中を航行するカリフォルニア号は座礁してしまいます。場所は、アイルランド北西沿岸のトーリー島。ここは島全体が岩がちなところで、灯台もあるものの、霧が出た時は、非常に危険な場所のようです。
座礁の一報は、即座に無線にてロンドンベリーに伝えられ、駆逐艦6隻が霧の中にも関わらず、全速で75マイル離れた現場に向かいました。船体は激しく損傷しており、喫水線の下に二か所大きな裂け目ができていたようです。乗り換え用の船が用意されていて、必要とあればすぐに乗客を輸送できるとも書いてあります。記事が書かれた時点では、救助にいった船からの連絡待ちなのでしょう。
この後、カリフォルニア号は修繕にはいり、再び就航することとなります。
しかし、この船は1917年2月にドイツの潜水艦によって沈められてしまいます。ドイツの無限潜水艦作戦です。この作戦によって、今まで中立の立場を決めていたアメリカが、連合国側として参戦することとなります。
せっかく無事だったのに、、、、。しかも1915年には、船内で火事が起きかけたものの、とっさの判断で消し止められ大惨事を免れる、といったこともありました。しかし、ドイツの潜水艦によって、最後は沈められてしまいました。
その後カリフォルニア号を沈めた潜水艦も、撃沈されることとなります。なんだか報われませんね。
ちなみに、この船。氷山に衝突し沈没したタイタニック号からの救難信号を見落としたのではないかと言われた、カリフォルニアン号とは別の船です。船の所有者がちがいます。
それでは。